リップルについて

ビットコイン、イーサリアムに次いで人気のある仮想通貨と言えばリップルリップルもイーサリアムと同じく大手企業から一目置かれる仮想通貨です。今日はそんなリップルについて纏めてみました。

ripple.com

 

リップルとは?

 リップル(Ripple)は2004年ウェブ開発者だったRyan Fugger氏によって考案され、その後Chris Larsen氏(リップルラボ社CEO)とJed McCaleb氏(あのMt.Gox取引所の創業者)率いるオープンコイン社(OpenCoin Inc.)によって誕生し2013年3月に正式リリースされました。

オープンコイン社は社名が変わり、現在はリップルラボ社(Ripple Labs Inc.)としてリップルは管理されています。仮想通貨の殆どは管理主体が無い(非中央集権)のが特徴でもありますが、リップルの場合はリップルラボ社という実質的な管理主体が存在します。リップルは『リップル』という名前で3つの側面を持ち、その中の一面が仮想通貨としてのリップルになります。通貨単位はリップル(XRP)です。

リップルとは3つの側面から説明ができます。

まず、法人としてのリップルです。Ripple Labs, INC.という社名で社長はChris Larsenです。

次に、プロトコルとしてのリップルです。プロトコルとしてのリップルは決済や送金の為の電子送金プロトコルです。ブロックチェーン使用しない為、即時送金が可能。Ripple Labsが法定通貨等との交換を保障します。

最後に、仮想通貨としてのリップル(XPR)です。XRPは“ゲートウェイ”と呼ばれる業者を通して法定通貨やビットコインと交換することができます。リップルプロトコルで法定通貨を送付するときにXRPを消費します。

 引用元:https://bitflyer.jp/ja/glossary/ripple

 

ビットコインとの違い

①取引スピード

リップルトランザクション(取引)の承認作業にコンセンサス(consensus)という独自のシステムが使われています。ざっくり説明すると承認者(validator)と呼ばれる人たちからの「この取引は記録して大丈夫!」と一定数の了承を得られた取引だけ新たに記録される仕組み。

このコンセンサスによってリップル圧倒的スピード取引が可能になっています(毎秒1,000取引ビットコインのシステムであるProof of Work(仕事量の証明膨大な計算を解くことで取引の承認をするため、どうしても時間がかかってしまうのです。

 

②総発行量

 ビットコインの発行量は2,100万枚に対して、リップル(XRP)の総発行量は1,000億枚です。既に全ての枚数が市場に配布されているのでこれ以上は発行されません。リップルトランザクション(取引)ごとに減少する設計になっているため、取引が増えれば増えるほどリップル(XRP)も減ります。 ちなみのこのリップル(XRP)、総発行量のうち6割はリップルラボ社、残りの4割が市場で流通している状況です。それにより、リップルラボ社によってリップル(XRP)の価値がコントロールしやすいのでは?とも噂されているという(リップルラボ社は真っ向否定しています)

 

③採掘方法

ビットコインマイニング(採掘)の報酬としてビットコインが貰えます。

リップル(XRP)の場合だと『World Community Grid』(WGC)と言われるプロジェクトに参加し、ガン研究や新たな病気への発見などに貢献することによってリップルが貰えるのです。

 

  

リップル最大の特徴【IOU取引】

リップルの単語とともに出てくる一番の特徴はIOU取引です。

例えば誰かにお金を借りた時、貸した側は万が一のことを考えて借用書を準備していると思います。

 IOU =『 I owe you(あなたに借りがある)』の略

つまり、IOU取引は借用書の取引ということになるのです。

 

IOU取引を簡単に説明すると

まず、ゲートウェイ(リップルの中の銀行のような場所)にお金を預けるとIOU(借用書)が発行されます。本来、借用書は『貸した側』と『借りた側』のみで成立するものです。リップルユーザー同士なら誰でもIOU(借用書)での取引が可能になります。

 

ここにAさん・Bさん・Cさんの3人がいます。

①AさんはBさんから1万円借りています。

②BさんはCさんの時計を1万円で買いました。

⇒BさんはCさんに「お金はAさんから貰ってくれない?」と伝える。

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Bさんは従来のようにCさんに支払いをするのではなく、①AさんのBさんに対するIOUで支払いを済ませたということになります。よってCさんがAさんに1万円を請求することが出来ます。今後CさんがAさんに1万円支払うことがあればその時にCさんがAさんのIOUをお返しするのも有りなのです。

 

この瞬間【Aさん・Bさん・Cさんの間で1万円を上限とする円やドルを使わない】グループが完成しました。これをがリップルネットワークと呼ばれるものです。そしてこのIOUは仮想通貨・法定通貨問わず様々な通貨に交換が出来ます。 

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 出典:Ripple Labs Inc.

 

 

ネムについて

最近、話題になることが多く急激に価格が上昇している仮想通貨ネム。

発表されたばかりのCOMSAもこともありとても気になってしまったので今回はネムについて纏めてみようと思います(・ω・)

www.nem.io

 

 

ネムとは?

ネム(NEM)はもともとNew Economy Movement(新しい経済運動)の略称で、金銭的な自由、分散化、平等、および連帯感の原則に基づき、新しい経済圏の創出を目標として開始されたプロジェクトの仮想通貨です。2015年に公開された際、当時の開発メンバーに日本人が所属していたことから国内でも話題になりました。通貨単位はゼム(XEM)です。

NEM は暗号通貨(仮想通貨)ですか?

NEM はただの暗号通貨(仮想通貨)ではありません。暗号通貨としての機能以外にも、重要な機能として、ピアツーピアプラットフォーム、ペイメント、メッセージング、アセット作成、そして命名システムといったサービスを提供します。 また、今後も NEM の進化とともに多くのソリューションを提供を行う予定です。

 出典:https://www.nem.io/faq.html#whatsPoi

⇒通貨にプラス機能、技術が付いている=仮想通貨2.0世代ということになりますね。

 

ビットコインとの違い

ビットコインはマイニング(採掘)にProof of Work(仕事量の証明)その名の通り『仕事量が多い人に権利が与えられる』というシステムが採用されています。マイニングで報酬(ビットコイン)を貰えるのは計算を解いた人になるため、PoWに基づき計算パワーが大きい人ほどブロック承認の成功率が高くなる仕組みです。このため高性能なコンピューターをどんどん導入出来る・電力を気にしないで使える人ほどビットコインが貰えるという偏りが発生していまっています。(現在、マイナーは中国人グループが占めている)ネムはPoWのように一部のグループやマイナーに報酬が偏らないように設計されており、そのシステムこそがネムの特徴の一つであるProof of Importance『重要度の証明』です。

 

 

ネムの主な特徴

①Proof of Importance『重要度の証明』

Proof of Importance『重要度の証明』これは『ネム内での経済活動への貢献度』によって報酬を得られる確率が高くなるシステムです。保有するネムの残高に限らず、ネムのネットワークへ積極的に参加して重要度を高めていく必要があるので取引額や取引相手も考慮されています。頑張れば頑張るだけチャンスが増えていく仕組みですね。

また、PoIはPoWのように莫大な計算処理を必要としないので大量の電力を消費することが無いとてもエコなシステムとして注目されています。                      

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②EigenTrust++

NEMはさらにセキュリティも優れています。EigenTrust++というノードの重要性の決めるためのアルゴリズムを採用しており、それがネットワークのセキュリティを大幅に強くしています。これは他の暗号通貨にはないユニークな特徴です。

出典:http://urx.mobi/F7Kx

ネムのもう一つの特徴として、セキュリティの高さが挙げられます。

これは、EigenTrust++という評価システムによってネットワーク上の端末(ノード)の質を評価し、悪質な端末は参加出来ないようにします。

悪意のあるユーザーや犯罪者は容易に報酬を受け取れないようになっているのです。

 

 

ハーベスティング

ビットコインではマイニング(採掘)と呼ばれる作業をネムの場合はハーベスティング(収穫)と呼んでいます。ハーベスティングをするには10,000XEM以上の残高に加え、少しずつ貯まってゆく既得バランス(Vested Balance)も10,000XEM超える必要がありますがこの条件をクリアしてしまえば誰でも気軽に参加することが出来ます。誰がハーベスティングするかはPoIによって重要度を元に、ランダムで決まります

 

ちなみにネムは総発行量が8,999,999,999XEMであり、発行時およそ1500名に分配されているのでこれ以上は発行されません。マイニングは承認の報酬として新たにビットコインが発行されるのに対して、ハーベスティング取引を承認して欲しい人が手数料(XEM)を支払う仕組みなので総発行量以上のXEM(ゼム)が市場に出回ることは無く、価値が下がりにくいと言われているのです。

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ネムの可能性

日本の仮想通貨取引所Zaifを運営するテックビューロ社が、ネムの技術を応用したプライベートブロックチェーン『mijin』を開発しました。

ビットコインなどの誰もが参加出来る公開型ブロックチェーンに対して、mijinは特定のネットワーク上で特定の人だけが参加できるブロックチェーンということです。

 

このmijinの技術は既に様々な企業で採用され、住信SBIネット銀行が運用テストを実施していたり、最近だと西濃運輸中部電力で実証実験が進もうとしています。

 

これから先、ネムやmijinを本格的に取り入れる企業が増えていけばそれに比例して価値もどんどん上がっていくと思うので期待が膨らむばかりです。そして昨日(2017年8月3日)にはネムやmijinの技術を取り入れたCOMSA(ICOを支援するためのプラットフォーム(場所))が発表され、ますます盛り上がってきました…!

jp.techcrunch.com

これからの動きがとても楽しみな仮想通貨の一つなので、ひたすらに見守っていきたいですね(・ω・)

イーサリアムについて

ビットコインの次に人気が高い仮想通貨と言えばイーサリアム!

イーサリアムは現在ビットコインに次いで時価総額第2位の通貨であり、仮想通貨2.0世代の代表通貨でもあります。今日はそんなイーサリアムについて纏めていきたいと思います。

www.ethereum.org

 

 

イーサリアムとは?

イーサリアム(Ethereum)は2013年にVitalik Buterin氏によって考案され、2015年に正式リリースされました。通貨単位はイーサ(ETH)です。

イーサリアムは仮想通貨ですが、正確にはブロックチェーンの技術を使う様々なアプリケーションを動かすための場所(プラットフォーム)として開発されています。例えば、とある水槽にたくさんのお魚が泳いでいます。たくさんのお魚=アプリケーション・水槽=イーサリアムといった感じです。そのためイーサリアムは色々なプログラムや仕組みの基盤になることが出来るのです。

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 ビットコインとの違い

 イーサリアムはビットコインよりも後に誕生したのでビットコインに無い機能を備えています。そのためにビットコインは『仮想通貨1.0世代』、その他殆どの後発コインは『仮想通貨2.0世代』と呼ばれています。『仮想通貨1.0世代』=ビットコイン決済スピード・格安の送金手数料という通貨としての機能に特化した通貨に対し、『仮想通貨2.0世代』は通貨にプラスの機能や技術で付加価値をつけた通貨のことです。

イーサリアムの付加価値は最大の特徴でもあるスマートコントラクトにあります。

 

 

 スマートコントラクトとは?

その名の通りスマート『賢い』コントラクト『契約』⇒賢い契約

取引情報に加えて契約を自動的に保存・実行してくれるシステムです。

 

具体的な例でAさんがBさんに10万円支払うとします。

ビットコインだと、ブロックチェーンには『AさんがBさんに10万円を送金』という取引記録は残りますが契約までは残りません。これがスマートコントラクトだと『AさんがBさんに10万円を送金』と同時に『AさんがBさんに10万円を送金したら、2017年9月1日にBさんがAさんに借りた3万円を支払う』という契約まで保存・管理することが出来ます。さらには『2017年9月1日にBさんがAさんに3万円支払う』この契約内容を自動的に実行してくれるのです。

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 従来の契約で必要な『書類』も『署名・押印』も『保証人』も要りません。書類を管理・保管してくれる場所も第三者(銀行や証券会社など)も不要です。

契約内容はブロックチェーンに記録されるためビットコインの取引記録と同様、分散型ネットワークによって不特定多数の人の目に触れることにより改ざん・偽造が極めて難しくなります。

・第三者機関(中央管理者)不要による時間・コストの削減

・偽造や改ざんのリスクの低さによる信頼性の高さ

取引と契約を同時に、確実かつ信頼性高く行えるということで所有権の登録や各届出、土地登記など様々な応用が出来るのではないかと注目を集めています。         

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イーサリアムの可能性

イーサリアムには大手企業が続々参入しており、これまでに何度もイーサリアムの価格を上げていきました。

マイクロソフトは2015年にAzureプラットフォームにイーサリアム基盤のブロックチェーン・ツールを導入することを発表

japan.zdnet.com

マイクロソフトJPモルガンインテルなどを含む30の企業がイーサリアムの技術を研究活用するための企業連合(EEA:Enterprises Ethereum Alliance)を結成

⇒後日、この企業連合に三菱UFJ、TRI(トヨタの子会社)も参加 

entethalliance.org

 

凄いぞイーサリアム…!これだけ注目されているのですね。

その一方でイーサリアムと言えば必ずついて来るThe DAO事件イーサリアムクラシックという仮想通貨が存在します。こちらはまたの機会に纏めていこうと思います。

ビットコイン以外の仮想通貨

「仮想通貨と言えば?」「…ビットコインってやつだよね?」

仮想通貨の話題としてテレビやニュースで取り上げられるのはビットコインですよね。それだけビットコインがメジャーな存在ですが、実はビットコイン以外にも仮想通貨はたくさんあるのです!

 

ビットコイン以外の通貨【アルトコイン】

アルトコインとは?

 アルトコインとはビットコイン以外の仮想通貨の総称です。

アルトコイン(オルトコイン)は『alternative coin』の略称『alt coin』で、単語を直訳すると『代替通貨』となります。よってビットコインの代わりの通貨』ということです。ビットコインはマイニング(採掘)によってコインが発行されます。しかし、発行量に上限があるため年々競争率とともに採掘難易度も上がり、獲得が難しくなっていました。そこで「ビットコインが難しいなら別の作れば良いじゃん!」と誕生したのがアルトコインなのです。ビットコインのプログラムは全て公開されているので、プログラムを理解出来る技術者ならビットコインを元にした違うコインを容易に作ることが出来ます。

 

 アルトコインの特徴

アルトコインは少なく見積もっても現在世界中に800~900種類近くはあると予想されていますが、実際に送金や取引利用出来る種類となると数が限られてきます。でも正直、「ビットコインがこんなにメジャーだからアルトコインいらないよね…?」と疑問が浮かびますよね。アルトコイン最大の特徴はビットコインに無い機能や特徴を備えているコインというところにあります。だからこそアルトコインも徐々に注目され、開発に出資したり参入する企業も増えて来ているのでビットコインと同じく将来的に価値が上がるのではないかと期待されています。

 

ただし、アルトコインはビットコインより優れていても知名度は圧倒的にビットコインの方が上です。流通量もビットコインに比べると低いので価格も低く、アルトコインを取扱う取引所も限りがあるのでアルトコインが欲しい!と思ったらまずは時価総額と取引所をチェックするのがオススメです。

 

 

 主要アルトコイン

時価総額はこちらのサイト【https://coinmarketcap.com/

から確認出来ます。

2017年7月28日現在のトップ3は

ビットコイン

②イーサリアム(Ethereum)

リップル(Ripple)

 

特にイーサリアムは時価総額2位をキープし続けているアルトコインで、暗号通貨2.0世代の代表通貨でもあります。リップルも常にトップ5の位置から動かない人気のあるアルトコインですね。どうして人気があるのかと言ったら、それぞれの特徴が大きい、関わっている企業が大きかったり色々あったり…アルトコインは十人十色状態なので詳しくは改めて纏めていこうと思います(^∀^)